「土の造形クラス」では立体作品をつくる前に
簡単なイメージ画をご自宅で描いて頂く時間を大切にしています。
「絵が苦手なのに大丈夫ですか?」
「まだ何を作るか決まっていなくて…」
そんな声をいただくこともありますが、
この時間の目的は “完成予想図”を描くことではありません。
✅イメージ画は「考えを外に出すための道具」
立体をつくるためには、
どんな形?ポーズ?
どのくらいの大きさ?
見えない裏側はどうなっている?
誰が、どんな場面で使う?
といったことを、頭の中で整理する力が必要です。
イメージ画は
👉 上手な絵を描くためのものではなく
👉 頭の中のイメージを“見える形”にするためのメモ
です。
線が歪んでいても、途中で消しても、
その子が「考えている証拠」になります。
特に大切にしている理由のひとつが、
イメージ画は「言葉以外のコミュニケーション」になるという点です。
子どもの中には、
・自分の考えを言葉にするのが苦手
・「うまく説明できない」ことに不安がある
・伝えたい気持ちはあるけれど、言葉が追いつかない
という子も少なくありません。
そんな時、
イメージ画は講師に気持ちを伝える手段になります。
「ここを大きくしたい」
「中はこんな感じ」
「この辺がポイント」
「こんな思いがある」
言葉にできなくても、
線や配置、描き足した跡から
その子の考えや迷い、こだわりが見えてきます。
私はその“途中のサイン”を読み取りながら、
声かけや制作のサポートを行っています。
✅ご家庭で出来ること(保護者の方へ):
〜「寄り添う」サポートのヒント〜
① 描くのは、お子さんにお任せください
イメージ画は「上手に描く」ためのものではなく、お子さんの頭の中にある考えを、外に出してみる時間です。
つい手伝ってあげたくなることもあると思いますが、大人が描かなくても大丈夫です。
少し分かりにくい線や、途中で消した跡も、
その子が「考えている途中のサイン」。
どんな線でも、
”その子自身の線“であることに大きな意味があります。
② 会話は「答えを出さない質問」で
興味・関心を向けてもらえることが、何よりの応援になります。
「何を描いてるの?」
「それ、どうなるの?」
そんな何気ない一言が、
子どもにとっては
「見てもらえている」
「大切にされている」
という大きな励みになります。
造形の時間では、
上手かどうかより、楽しそうかどうか。
正しいかどうかより、その子らしいかどうか。
その視点でそばにいてもらえることで、
子どもたちは安心して、
自分のイメージを形にしていくことができます。
※ 具体的な形や意味を直ぐに決める必要はありません。
正解を導かない問いかけを通して、
話すうちにイメージが少しずつ形になっていきます。
③ 「資料集め」でもOK
「描けない」「分からない」「恥ずかしい」と止まってしまう子もいます。
その場合は、
・似ている形の写真
・好きな作品・造形のイメージ画像
・色や雰囲気の参考資料
・立体をイメージ出来る動画
を一緒に集めるだけでも十分です。
(プリントアウトして教室へ持参)
これは回り道ではなく、イメージを育てる大切な時間です。
目にした形や色、雰囲気が、後の制作につながっていきます。
イメージをためること(既視経験数を増やすこと)も、立派なプロセスです。
④ 実物の観察・持参は最高のヒント
テーマが実物(家にあるもの等)の場合は、
間近でよく観察する。可能であれば制作時に教室へ持参する。
回して見る/上から見る/中をのぞく
実物に触れることで「見えない部分を想像する力」が自然に育ちます。
まとめ
イメージ画制作は
「上手に描く・作る」ための時間ではありません。
考えるため、
想像するため、
言葉以外で気持ちを伝えるため
の「大切な入口」です。
スムーズに進む子も、迷いながら進む子も
この時間があることで
その子なりのペースで立体と向き合うことができます。
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「作りたい」と言葉にすることと、
実際に形にすることのあいだには、
たくさんの“考える時間”があります。
イメージ画や資料集めは、
その子が自分の手で作品に近づいていくための、大切な準備の時間です。
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